- 海浜幕張校
子どものミスにすぐ気づく理由 ~あの頃はできなかったのに、今は気づける不思議
皆様こんにちは。
マーガレット外語学院海浜幕張校です。
子どもの宿題を見ていると、
「あっ、またミスしている」とすぐ目に留まることはありませんか。
でも実は、「自分も子供の頃は同じようなミスをしていたな」という記憶がある――
そんなことはありませんか。
これは、親が成長したから見えるようになったのでしょうか?
優秀になったから気づけるようになったのでしょうか?
そう思いたくなる気持ちもあるのですが、
実はもう少し別の理由もあるようです。

人の脳には「ワーキングメモリ」という、
目の前の情報を処理する作業台のような領域があります。

大人でも容量はそれほど大きくありませんが、
子どもはもっと小さく、すぐにいっぱいになってしまいます。
たとえば子どもは問題を読みながら、式を作り、答えを考え、計算をし、…と、
いくつものことを同時処理しています。
同時処理が重なるほど認知の負荷は大きくなり、
余裕をどんどん失っていきます。
余裕がない状態では、
たとえ目の前にミスがあっても、
それに気付く余裕が残っていません。
では、なぜ親にはすぐミスに気づけるのでしょう?
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親の背景知識の多さ、経験からくるパターン認識、もミスを見つけやすい理由ですが、
一番大きな理由は、親は作業者ではなく観察者だからだと言えます。
子どものノートを眺めるとき、
手を動かしているわけでも、
暗算しているわけでもありません。
脳のリソースがほぼ丸ごと観察だけに使えるのです。
一方の子どもは、
小さなワーキングメモリをフルで使いながら勉強している最中。
つまり、
親 = 単一タスクで余裕のある状態
子ども = 多重タスクでいっぱいいっぱいの状態
この差が、ミスに気づける・気づけないに表れます。

子どもに能力がないから、ミスが見えないのではありません。
脳の余裕がないと、ミスに気づけないということです。
もしミスが続いて心配になるようなら、
認知負荷をやわらげるよう、手助けしてみるのはいかがでしょうか。
例えば、
・問題文を部分に分けて読む
・式を書く場所を限定する
・問題を読むだけの時間を作る
ワーキングメモリは年齢とともに大きくなることが多く、
扱える情報量もいずれ増えていきます。
「脳の仕組みとして、今はそういう時期なんだな」
とゆったりと受け止めてあげたいですね。


